時代はワイルドからマイルドへ。どうしたの?ヨネスケ?フラペチーノ?

R-1グランプリを見たので、その感想を書いておこう。ネタバレが多数あるのでご注意。

Aブロック

岸学

面白いよ。ただ、会場が冷えきったしょっぱなでやらされる辛さがあるよね。順番が違えば、もっと笑いをとれたと思う。本人もガチガチだったようにも見えるし。「いろいろ説明しよう」などのセリフは思わず笑った。いいんだけどなぁ、残念。あと、ところどころがこう、もう少し上手く伝えられないのかよ?と言うところもあって、磨けばいいのになぁ。。。と思う残念な点が目立った。

三浦マイルド

最終的に優勝しちゃうんだけど、勢いだけっていう印象が拭えない。フリップ芸で面白いといえば面白いのだが、長い!と言う印象を受けた。また、「ほいじゃあの」(だっけ?)がネタの締めにならない辺りが、ネタ順に問題が有るように思えた。フリップを2組程抜いて、順番を変えると、だいぶ印象が変わると思う。

ヤナギブソン

円グラフネタ。円グラフを持ってきた辺りは面白かった。一方で、一つ前の三浦マイルドが長い!と感じた分、ヤナギブソンは短いと感じる程度で終わってしまった。え?これで終わり?正直拍子抜けした。面白く無い訳じゃないけど、こぢんまり感がただよい、もう少しなんとかならんかったもんか?後半はもっと弾ける展開が欲しかった。

プラスマイナス岩橋

うん。。。単発のまとめっていう感じかなぁ。岩橋君のキャラクタを理解してくれている関西圏では受けが良かったんちゃうかな?私は、よく分らんかった。残念だが・・・。

Bブロック

ヒューマン中村

フリップネタ。フラペチーノ?が瞬発力高かった。フラペチーノ?面白い。しかし、それ以外があまり印象に残らない感じ。どうしたの?フラペチーノ?

三遊亭こうもり

頑張ったね。末高斗夢の頃から嫌いじゃないキャラだったので、密かに応援していたが、難しいねぇ。都々逸自体はよくできていたが、なんて言うかこのネタで爆笑をとって、賞を取りに行くっていうのは難しい形だと思う。あと、末高斗夢時代から変わらない上ずった感じっていうかなんとなく感じるテンパリ感が落語家としてはあんまり良く無い方向に効いてる。落語家にはもう少し落ち着きが欲しいって思うのは、私の好みの問題かな?

田上よしえ

面白いと思う。ただまぁ、なんて言うのかなぁ・・・。空回り感を出したいのかわからないけどあのいらっしゃいませの言い方はあんまり好きになれなかった。そして、オチがケツメイシっていう、あれも頂けないなぁ。全体として「ヨネスケ」が気になる構成になってたんだから、もう少しなんとか出来ればよかったのに。と言う印象。

桂三度

うむーーーー、なんて言うのかなぁ。上滑り感が半端ない。客がシステムを納得する前に始まっちゃってた辺りももう少し、構成がなんとかならんかったもんか。と言う気がする。こうもりさんでも言ったが、落語家には落ち着きが欲しい。そして、その落ち着きは無い。

Cブロック

キンタロー。

客が求めているものを客が求めている形で提供したという意味では、期待を裏切らない出来だったと思う。ただまぁ、もう目新しさっていうのは無い感じなので、上位に行くっていうのは難しいだろうねぇ。面白かったよ。と。

スギちゃん

を?すげぇじゃん。あのネタをそのまま持ってきておきながら、面白さを追加する方向にちゃんと行けたと思うよ。グズグズなのも含めてキャラ、ギャグにしてしまうっていうのは、悪くないと思う。でも、一番笑ったのはテキトーにやった最初の「フライングワイルド」だったりする。キャラ得だな、この人。あと、「ネタをカンペ見ながらやった」と言う点について苦言を呈されている方が多数居らっしゃる様だが、小須田ボックス*1を使うためには紙が必要だった訳で、あれを含めて「芸」だと考えるべきかなぁ?と。

アンドーひであき

すげぇ。「芸」としては面白いと思う。ただまぁ、ネタのレベルにバラつきがね・・・。蛭子能収とかは、何やってるか分らないレベル。や、解るんだけどね。一方で小栗旬とかは、顔までそう見えるからすげぇね。パフォーマーとして頑張って欲しいが、ネタを全部出し切った感があって、なんとなくキンタロー。よりも早く飽きられそうなのがかわいそう。

雷ジャクソン高本

へぇ、知らないなぁって言う話題を持ってきて、意外性から笑った。でもまぁ、うん。勢いだけかなぁ・・・。三浦マイルドと大差無いって言ってしまえば、無いわ。と言う印象。悪くないネタだったので、もう少し見てみたい感じがあるなぁ。勢いだけだけど。

最終決戦

三浦マイルド

「西岡さん」がなんて言うか「そんなヤツおらへんやろ?」のギリギリ手前。あぁ、居るかも?居てもおかしくないかも?と言う辺りでキャラ造形されていて、絶妙。しっかり1本目の「市民税払うたこと、なー」との縦軸もできてた辺り、構成としても悪くないできだったと思う。ただまぁ、1本目の悪印象を持ってるのでなんとも・・・言えない感じ。

ヒューマン中村

1本目がネタの途中で「っぽい言葉」から「っぽく言ってみる」に変化する事で味の違いを出してきていたのに2本目のネタはずっと同じテンションで同じ内容のネタが続いた感じ。1個ずつの笑いのセンスとしては悪くないと思うんだけど、このネタを3分ずっとっていうのは、チョットばかり厳しいように思えた。一度くらいはしりとりで返した後に、再度返されてみる。位の意外性が欲しかった。また、その時のテンポももう少し上げて欲しかった・・・。

アンドーひであき

1本目でのネタ出し切り感が半端ない。筧利夫を縦軸に持ってきたが、ソレはあんまり特徴を掴み切ってないよ。っていうか、伝わりづらいよ。と言う感じだったため、縦軸感も出ず、なんとも・・・。弾数が足りてない感じで、まぁ・・・しょうがないか。この人はテレビと言うよりは生の演芸場でお金を払いながら見るのが正しい鑑賞法かと思います。テレビに出ると、早く摩耗しそう。

という事で、最終決戦だけを見たら、三浦マイルドの優勝もなんとなく、そうか。そうかぁ。としか思えないけど、田上よしえとかが上がってきてたら、また話はべつだったんだろうなぁ。と思う。キングオブコントのバイきんぐ小峠ほどのキャラクタが発掘できたわけでもなく、今年「も」R-1グランプリはぱっとしねぇなぁ。と言う印象でした。

ちなみに、私が勝手にネタ順位をつけるとしたら。こんな感じかな?

田上よしえ
スギちゃん
三浦マイルド(2本目)
ヒューマン中村(1本目)
雷ジャクソン高本
アンドーひであき(1本目)
キンタロー。
ヒューマン中村(2本目)
三浦マイルド(1本目)
岸学
ヤナギブソン
アンドーひであき(2本目)
三遊亭こうもり
プラスマイナス岩橋
桂三度

あれ?田上よしえが優勝してしもうた。個別の評価ではこき下ろしたのに・・・。また別の観点では2本目が1本目を上回ったのは三浦マイルドだけなので、順当な優勝と言えなくも無いのか。ちなみに、他のどっかで読んだんだけど、時代は「ワイルド」から「マイルド」へ。と言う煽りがあって、上手い!と思った。

*1:要る/要らないを分別するためのボックス。笑う犬の生活「小須田部長」より。